ミャンマー大統領、8月上旬にタイを公式訪問へ
ミャンマーのミン・アウン・フライン大統領が8月上旬にタイを公式訪問する見通しとなった。ASEAN(東南アジア諸国連合)関係筋の話として、7月13日に伝えられた。4月の大統領就任後、ASEAN加盟国への公式訪問は7月上旬のラオスに続いて2度目となる。訪問に先立つ7月12日には、バンコクでASEAN各国とミャンマーの外相による非公式会合が5年ぶりに開かれており、地域機構との関係改善に向けた動きが相次いでいる。
ASEAN関係筋によると、ミン・アウン・フライン大統領は8月上旬にタイを公式訪問する。訪問の詳細な日程は明らかにされていない。大統領によるタイ訪問は、2025年4月にバンコクで開かれたベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ(BIMSTEC)首脳会議への出席以来となる。
今回のタイ訪問は、4月の大統領就任以降、2度目のASEAN加盟国への公式訪問にあたる。大統領は7月上旬、就任後初のASEAN加盟国訪問としてラオスを訪れていた。ミャンマーは2021年2月の非常事態宣言以降、ASEAN首脳会議への出席を見送られてきた経緯がある。こうしたなかタイは、ミャンマーの地域機構への完全な復帰を後押しする主要な加盟国として動いている。両国間では4月22日にタイのシハサック外相がネピドーを訪問するなど、要人往来も続いてきた。
これに先立って7月12日には、バンコクでASEAN各国の外相とミャンマーのティン・マウン・スウェ外相による非公式会合が開かれた。2021年以降、ASEAN側とミャンマーの外相が対面で会合するのは初めてとなる。会合はタイのシハサック外相が主催し、ASEAN議長国フィリピンのラザロ外相が議長を務めた。ミャンマー外相は、国内情勢についてASEAN各国に説明した。
会合では、ミャンマー和平をめぐるASEANの行程表「5項目の合意」の順守をあらためて確認した。ラザロ議長は記者団に対し、今回の会合はあくまで初期段階の協議であり、ミャンマー側が5項目の合意の主要な項目で具体的かつ検証可能な進展を示すことに期待すると述べた。シハサック外相は、ミャンマーに対する「調整された関与(calibrated engagement)」の方針を支持すると語った。
シハサック外相はまた、記者団の質問に答え、ミャンマー外相から、アウンサンスーチー氏について必要な施設を利用でき、健康状態は良好であるとの説明を受けたと明らかにした。そのうえで、ASEANの特使がスーチー氏と面会できれば、そうした説明を確認できるとの考えを示した。一連の議論は、7月18日から24日までフィリピン・マニラで開かれるASEAN外相会議(AMM)や、年内に予定される首脳会議でも継続される見通しである。
大統領による2度目のASEAN加盟国訪問と、5年ぶりに実現した外相会合が相次いだことで、ASEAN加盟国とミャンマー新政権との関係改善に向けた動きが一段と鮮明になった形だ。仲介役を担うタイの姿勢と、地域機構への完全復帰を目指すミャンマー側の働きかけが、今後どのように具体化していくかが問われる。
[注]人名・肩書は報道時点のもの。「5項目の合意」は2021年にASEANがミャンマー情勢をめぐり取りまとめた行程表を指す。
[出典]ASEAN関係筋の報道(2026年7月13日)、ロイター、Mizzima、The Diplomat、フィリピン外務省発表ほか。