202605.01
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【労働・移住政策】海外就労者の一時帰国手続きが厳格化

5月1日施行 大使館推薦状の取得が新たに義務化

 ミャンマー労働省労働局は4月28日、海外就労中のミャンマー人労働者が一時帰国する際の手続きを厳格化する新規則を発表し、5月1日より施行した。帰国前に雇用主の休暇許可証を在外公館に提出し、推薦状を取得することが新たに義務付けられた。

 今回の措置は、帰国労働者向けの出国ルートを悪用した不正出国の事案が確認されたことを直接の契機としている。労働局の発表によると、一部の新規出国希望者が、帰国労働者を装って偽造した休暇許可証を使用し、正規の採用登録・出発前研修・健康診断といった省が定める手続きを回避しようとする事例が発覚した。当局は安全な移住の確保と人身売買防止を目的として、制度を整備したと説明している。

新手続きの概要

項 目内 容
帰国前雇用主から「休暇許可証(Leave Letter)」を取得する。
帰国前就労国のミャンマー大使館・総領事館に休暇許可証を提出し、推薦状を受領する。就労国にミャンマー公館がない場合は、最寄りの第三国のミャンマー公館を訪問して手続きを行う。
再出国申請出発予定日の5営業日前までに申請書類を提出する。承認結果は労働省「Safe Migration」Telegramチャンネルに日々公開される。承認リストへの掲載を確認してから渡航する。
OWIC 再取得就労許可証・査証・休暇許可証に記載された就労先と、所持するOWIC(海外労働者身分証)の就労先情報が一致しない場合は、帰国後に新たなOWICを申請・取得する。
送金証明帰国後にOWICを新規申請する際は、賃金の25%以上を毎月(または3ヶ月に1回以上)、中央銀行が認定した合法的な送金チャネルで国内の家族または口座に送金した実績を証明する書類の提出が求められる。
罰 則虚偽の書類を提出した者については、一定期間の海外就労禁止措置およびブラックリストへの登録が適用される。

 申請方法については、出発前に申請書・パスポートのコピー・OWICのコピー(表裏)・就労国の滞在査証または就労許可証のコピー・航空券のコピーを、郵便・宅配便・代理人・本人のいずれかの方法で労働局に提出する。承認が下りた後、承認リストへの掲載をSafe Migration Telegramチャンネルで確認してから渡航するよう求められている。

 帰国後のOWIC再申請にあたって送金証明が必要となる点は、今回の新規則で注目される要素のひとつである。労働省は、中央銀行が認可した正規の送金経路(銀行振込または認可業者経由)を通じた送金を義務付けており、これを満たさない場合は一定期間の海外就労禁止またはOWIC交付拒否の措置が適用されると発表している。

 なお、OWICをめぐる手続きの整備は段階的に進められており、労働省は2025年2月に制度見直しのためOWIC発行を一時停止し、同年3月に再開した経緯がある。また26年1月からは、OWIC保有者が出国する際に労働局の事前承認を得ることが義務化されており、今回の新規則はこうした一連の制度整備の延長に位置付けられる。

 本規則に関する最新情報は、労働省公式ウェブサイト(mol.gov.mm)および「Safe Migration」Facebookページ・Telegramチャンネルで確認できる。海外就労中のミャンマー人労働者および関係者は、一時帰国前に最新の手順を確認するよう求められている。

【注記】本記事は、ミャンマー労働省労働局の発表(2026年4月28日)ならびにGNLM、Eleven Media、One News Myanmarの報道をもとにミャンマー総合研究所が作成した。

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