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憲法で国家防衛・安全保障評議会(NDSC)に選挙最終決定権
ミャンマーの国家統治評議会(SAC)は、5月19日にネピドーで開催された会議で
、2008年憲法に基づき、国家防衛・安全保障評議会(NDSC)が選挙実施の最終決定
権を持つことを確認した。SAC議長であり首相のミン・アウン・フライン上級大将は
、多党制民主主義への移行を目指す方針を強調し、選挙は全国規模で実施されるべき
であると述べた。
NDSCは、ミャンマーにおける選挙実施の最終決定権を持っており、25年末から26
年初頭にかけて総選挙を実施する計画が示されているものの、その具体的な実施時期
は、NDSCが正式に決定するまで確定しない。25年1月31日、NDSCは非常事態宣言を
さらに6か月延長し、その期限は同年7月31日となっている。憲法の規定により、非常
事態宣言終了後6か月以内に選挙を実施する必要があるため、NDSCは同年7月末まで
に選挙実施の決定を下す可能性が高い。
ミン・アウン・フライン氏は、選挙の実施に向けた準備を進めるよう指示し、選挙
は公正かつ透明に行われるべきであると強調した。各地域の行政機関の職員や公務員
には政治的中立を保つことが求められており、特に州・地域、地区、町、区、村の行
政機関の職員には、十分な資格を備えることが必要である。また、選挙管理委員会や
関係機関との連携を通じて、選挙の準備が進められているとされる。
ミン・アウン・フライン氏は、教育分野での進展にも触れ、ポリテクニック大学の
設立が成功し、農業、畜産、工業分野での専門技術者育成が進んでいると報告した。
また、自然災害に対する政府の対応も説明され、以下の被害額と支援金額が示された。
自然災害支援策
災害名 | 年 | 被害額 | 政府支援 |
サイクロン「モカ」 | 2023年5月 | 534.1億チャット | 73.8億チャット |
台風「ヤギ」 | 2024年9月 | 466.2億チャット | 54.8億チャット |
マンダレー地震 | 2025年3月 | 3,629.3億チャット | 復旧支援実施中 |
農業分野では目標生産量の未達成により収入が8億米ドル減少し、目標が達成されて
いれば約140億米ドルの追加収入が見込まれたと説明。物価上昇対策として供給と需
要のバランス維持が求められている。ミン・アウン・フライン氏は、政府は国民に信
頼されるべき存在であり、「歴史に残る信頼される政府」を築くことが重要であると
述べた。SACは、選挙の実施を通じて国民の意思を反映し、国家の安定と発展を図る
方針である。
今回の会議には、SAC副議長で副首相のソー・ウィン副司令官、評議会幹事長アウ
ン・リン・ドゥエ、共同幹事長イェ・ウィン・ウー、各州・地域の首席大臣、連邦レ
ベルの要人らが出席した。
(25年5月20日 グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー)
引用元:Constitution empowers NDSC with final say on elections