ニュース
中国人労働者、ラカイン州での衝突激化でチャオピューから避難
ミャンマー西部ラカイン州のKyaukphyu(チャオピュー)でアラカン軍(AA)と国軍部隊との戦闘が激化する中、中国のインフラ関連プロジェクトに従事していた民間労働者が、相次いで現場を放棄し避難しているという。独立系メディア「ナリンジャラ・ニュース」が27日に伝えた。
この中国のインフラ施設は「OGT工場(Onshore Gas Terminal)」と呼ばれ、Shweガス田からベンガル湾を経て運ばれてくる天然ガスを受け取り、中国へとパイプライン輸送するための拠点として機能している。工場はチャオピュー郊外のMalakyun(マラキュン)とGone Chwein(ゴンチュイン)の間に位置し、韓国のPOSCO Internationalとミャンマー国営MOGEとの合弁で建設された。2013年の操業開始以来、中国のエネルギー輸送ルートの戦略的拠点となっている。
現地の国軍関係者は、ナリンジャラ・ニュースに対し、「ここ数日、AAと国軍との衝突が急速にエスカレートしており、中国資本のOGT配電工場周辺でも激しい戦闘が続いている。中国からの労働者たちは身の危険を感じて逃げ出している」と語った。
報道によると、国軍兵士たちは一時的にOGT工場内へ撤退し、アラカン軍の襲撃から身を守ったという。工場に勤務していた中国人およびビルマ人労働者も同様に脅威を認識し、施設からの退避を余儀なくされたという。
その後もマラキュン近郊地域一帯で国軍部隊が増派され、小競り合いが複数報告されている。チャオピュー在住の女性はナリンジャラ・ニュースに対し、「逃げた労働者の大半は中国人で、ビルマ人労働者はわずかしかいない。重砲が連日使用され、航空機からの爆撃やドローン攻撃も行われている。5月25日以降、状況は一気に緊迫し、労働者たちは退避を余儀なくされた」と語っている。
一部の中国人労働者は、比較的安全とされるMade Kyun(メイド島)の天然ガス・深海港プロジェクト現場に避難。一方で、上級職の中国人スタッフらはヤンゴンへのフライトで現地を離れたという。「中国の高官たちもヤンゴンへ移動しており、空港では連日、中国人労働者が帰還していく姿が見られる」と彼女は語った。
さらに、ナリンジャラ・ニュースは、チャオピューの戦闘では、約20人の中国人が直接ドローンを操作し、ミャンマー側のために攻撃を行っている可能性があるという複数の証言を伝えている。