202602.04
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ミャンマー、連邦顧問会議を設置

 ミャンマー政府は、2025~26年総選挙後の政治移行に向け、政策助言機関となる「連邦顧問会議(Union Advisory Council)」を設置する法令を公布した。情報省によると、法令は2026年2月3日付で、国家防衛·安全保障評議会(National Defence and Security Council:NDSC)名義の法令番号3/2026として制定された。

 国営紙『グローバル·ニュー·ライト·オブ·ミャンマー(Global New Light of Myanmar)』および国営放送MRTVは、連邦顧問会議について、国家レベルの政策および制度運用に関して助言と調整を行う法定機関であり、立法権や行政権を直接行使する統治機関ではないと報じている。報道では、新たな最高統治機構や国家評議会が創設された事実は確認されておらず、同会議は総選挙後の移行期における制度運用を補助する枠組みとして位置づけられている。

府や議会の権限は代替せず

 国営メディアによれば、連邦顧問会議は、国家レベルの政策および制度運用について助言と調整を行うことを目的とした法定機関である。同会議は、立法権や行政権を直接行使する権限を持たず、憲法に基づく政府および議会の権限を代替するものではないと説明されている。

 また、今回の法令は、新たな最高統治機構を設置するものではなく、既存の憲法上の制度枠組みの中で、移行期の政策運営を補助する役割を明確にするものとされている。国家防衛·安全保障評議会(NDSC)を含む既存機関の法的位置づけが変更されるとの説明も行われていない。

 ミャンマーにおける総選挙後の政治移行は、現行憲法に定められた手続きに従って進められる。総選挙後、まず連邦議会(Hluttaw)が招集される。連邦議会は、民族院(上院)と人民院(下院)から成る二院制の立法機関であり、国営メディアによれば、2026年3月第3週に招集される予定とされている。

 連邦議会の招集後、上下両院それぞれで議長団が選出され、その後、憲法の規定に基づき、大統領および副大統領が議会によって選出される。ミャンマーの大統領は国民による直接選挙ではなく、連邦議会内に設けられる三つの委員会がそれぞれ候補者を推薦し、議会全体の投票によって選出される制度を採っている。これらの手続きを経て、新たな連邦政府が発足することが、制度上の正式な政治移行の流れとされている。

連邦顧問会議は複数メンバー

 現行憲法において、大統領は国家元首であり、同時に政府の首長と規定されている。行政権は連邦政府に属し、その長として大統領が位置づけられている。国営メディアは、連邦顧問会議の設置によって、この大統領および連邦政府の法的権限が変更されることはないと説明している。

 ミャンマーでは過去に、2016年に制定された国家顧問法に基づき、「国家顧問(State Counsellor)」という役職が設けられていた。国家顧問制度は、当時の憲法規定により大統領就任資格を持たない人物が、大統領および連邦政府に助言し、各省庁を横断して調整を行うことを可能とするために創設された制度である。

 国営報道および法令上の説明に基づく限り、連邦顧問会議と国家顧問制度はいずれも、立法権や行政権を直接行使せず、大統領および政府に対して助言·調整を行う補助的機能を担う点で共通している。一方、国家顧問が単一の個人に付与された役職であったのに対し、連邦顧問会議は複数のメンバーから構成される合議体として設置されている点が、制度上の相違点とされている。